今こそ「資本論」を読もう 2016.11

◆はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり

 ワーキングプアの問題が広がっています。働き口はあっても十分に暮らして行けない, 結婚して家庭を持つこともできないというのです。1997年に約800万人いた年間賃金200万円未満の労働者は, 2012年には約1100万人にも増加し, 労働者の4人に1人にあたるそうです。また, 年収300万円が「結婚の壁」だそうで, 2013年の20-30代の既婚率は年収300万円未満で約9%, 300-400万円で約26%と大きな隔たりがあります。

 この20年間, 実質賃金は下がりっぱなしですが, そこには派遣労働など非正規雇用の拡大があります。1997年の非正規率が約23%でしたが2012年には約35%になっています。非正規の2014年の賃金月額は約20万円で, 正規の約32万円の3分の2しかありません。しかも多くはボーナス・退職金なしです。

 企業が利潤を得られるのは, 労働者を働かせて商品を生産するからです。しかしその一方で, 競争に打ち勝ち一層の利潤を得るために, 利潤の一部を追加投資して生産を拡大し, また, 労働の生産力を高め, リストラ・労働時間延長・労働強化によって賃金部分の割合を小さくしようとします。

 資本論に次の一節があります。「一方の極での富の蓄積は, 同時に反対の極での, すなわち自分の生産物を資本として生産する階級の側(労働者)での, 貧困, 労働苦, 奴隷状態, 無知, 粗暴, 道徳的堕落の蓄積なのである。」(第1巻第23章 資本主義的蓄積の一般的法則) 資本主義経済の本質は今も同じなのです。

 資本主義経済を分析してその運動法則を明らかにしたマルクスは, 資本主義経済の矛盾は止揚(解決)されること, それは労働者の歴史的任務であることも明らかにしました。今こそ,“ぢっと手を見る”のではなく, 資本論を読もうではありませんか。

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